人気ブログランキング | 話題のタグを見る

バックキャスト・・・

キャスティング・レッスンで見ていると、肘から先(前腕と手)の動きがメインまたは肘から先の動きだけでフライキャスティングしている人を良く見かけます。
ビデオ等を見てもインストラクターが完全なオーバーヘッドキャストをして見せているケースが少なく、スリークウォーターと言われる腕を外側に傾けたキャストで見本を見せているのが多いように思います。
その上インストラクターの真横からと言うより顔が入る方向にカメラを構えているようで、上腕の動きがあまり映っていないケースが多いようです。
そこで腕全体を使ったキャスティングフォームと肘から先を使ったキャスティングフォームでのロッドティップの軌道の違いを図で見せようと色々工夫を凝らしてみました。

と、此処までは前置ですが(長~ぁ)
フォワードキャストで対比を表すために線画を作った時に、ふと『バックキャストも作って、フォワードとバックの違いを対比するのも面白いかな?』と作ってみました。
バックキャスト・・・_d0119443_1434685.gif
実際のキャスティングを多重露光で撮影するのが良いのでしょうが、そんな設備は持ってませんので(当たり前やがな~)各部の稼動角度を30°に仮定して作成。
上腕から動き出し前腕そして手の順に動きを追加し実際のキャストに近い動きに、当初から対象になるとは思っていませんでしたがバックキャスト(黒)とフォワードキャスト(赤)の違いに驚きました(スタートからの各部の動き出しタイミングと角度は全く同条件です)。
始点と終点の図は両者が重なって同じなのですが、赤黒全く異なる動きをしています。
実際のロッドはこのように直線ではなく負荷で曲がりが生じティップの軌跡は直線に近くなるのでしょうし図が実際の動きを100%再現しているとはいえませんが、バックとフォワードのスタート直後にロッドに加える力の方向が全く異なり実際にもこのように。
フォワードはリールシート側へ曳く様に動き出すのに対し、バックはロッドの垂直方向に動き出そうとしています。
同じ速度で各向きに腕が動き出すとしたら、ロッドティップを通してラインに掛る力(速度)はバックキャストの方が大きくなり、ゼロからスムーズに加速することが難しいと言う事になります。
「バックキャストを綺麗にする事を意識してキャストした方が良い」とよく言われますが、これがその理由なのかも知れません。
人間の構造は前方に行為を行うようにできているとつくづく思います、歩くのも走るのも視界が前方に開けている事(目が前方にある事)を抜きにしても前方の方がスムーズですし物を投げるのも。
「バックキャストを制する者は、フライキャスティングを制す」は言いすぎかもしれませんが、
「バックキャストを綺麗にする事を意識してキャストする」と言うのはフライキャスティングにとって大切な事だと言えるでしょう。
by UncleTaku | 2009-01-11 15:31 | Fly Casting