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キャスティング・ストローク

先日のコンテンツで少し触れましたが、フライキャスティングが上手く行かない人のもう一つの問題点で目立つのは広過ぎるキャスティング・ストローク(以後ストロークと表記します)です。
フライロッド(以後ロッド)をふ振る事で曲げを発生させ反発力を生み出しフライライン(以後ライン)をキャストする、この振り幅がストロークなのですが、ロッドの曲がりとストロークのバランスを上手くとらないとロッドティップでラインを直線的に加速する事ができません。
ロッドの曲がりとストロークのバランスが、ストロークの方が大きい(広い)とロッドティップは凸型の円弧を描き、小さい(狭い)と凹型の曲線を描く事になります。
またロッドの曲がりはティップから出されたラインの長さ(重量)やロッドの硬さ、ロッド・アクション、力の加え方等で変化するので、ストロークを此処から此処までとか何度(2時から10時というような)と言う風に規定する事はできません。
同じタックルでキャスティングしていてもショートレンジよりミドルレンジ、ミドルレンジよりロングレンジとレンジが拡がればストロークも広くしなければならないのです。

ストロークが合っているかどうかは横から見ているとよく分かりますが、当人は見る事ができません感覚で知るしかないのです。
ただ正しいバランス(軌跡が直線的に)でロッドを振った時に感じる重さ(ラインの乗り)は曲線軌道を描いた時より遥かに重く感じ、いかにもラインを引っ張っている感じがします。

キャストが上手く行かない人の多くは投げようとする力みからか、バランスがロッドの曲がりよりストロークの方が広くなっている事が多い様です。
ロッドティップが凸型の軌跡を描けば放たれるループも楕円形の力の無いものになり、反対側のストロークでロッドを曲げる為の力も不足します。
当然それを補うために反対側も大きなストロークで振りすぎ、そしてまた反対側もと悪循環に陥ってしまうのです。
実際のキャスティング・ストロークは、上手く行かない人が思っているよりも狭い事が多いのです。
その上に肩の構造上、腕を振りかぶった時に手が顔より後ろ(背中寄り)になると肘が外側へ開き、掌の角度がそれに連れて変わります。
ロッドはその延長上に位置するため内側へ捻られる事になり、上から見るとロッドティップが曲線を描きます。
故に腕を背後に大きく振る事は、禁物なのです。
では、遠投する時はどうすれば良いのか?
それはオープンスタンスに構えれば、肩より胸方向で体全体を利用してストロークを直線に拡げる事ができる筈です。
しかしミドルレンジでさえ上手くキャストできていない人がロングレンジのキャストを考えても仕方ありません、先ずはミドルレンジまでの基本的なキャストを身に着ける事に努力しましょう。

これは充分キャスティングできる方には、関係ない話かもしれませんね。
でもプレゼンテーションで掛けても無いカーブがリーダー・ティペットに掛かったり、リーチやカーブなど所謂トリックキャストが上手くできないと言う場合はキャスティングを見直す必要性があるのかも知れません・・・
by UncleTaku | 2009-10-26 19:16 | Fly Casting